どの時代でも どこに生きようとも

かなり個人的な話
ヨルノソラ 2024.04.03
誰でも

デスクの上に溜まっているであろう仕事は相変わらず気にかかるものである。ただ、流行り病のおかげで考える時間とそれを片づける時間ができたのは多分運がいい。まあ、かかっちゃったものはしょうがないしね。

こういうことを考えるのはもともと好きでしょっちゅう考えているのだけれど、思いっきり休むことにした時間でアニメを見て、見送ることや記憶が朽ちていくことについて改めて考えた。だからこの辺で、私をここまで連れてきてくれたお師匠の話を残しておこうかと思う。

だから今日の話は本当に個人的な話。昔の思い出話だ。物語に仮託した昔の話。

中学校が最悪で、高校(少々特殊だったけれども)に入ってもなかなか憂鬱だったのだけれど、家でも学校でもない場所でそのままを受け容れて、この世界につなぎとめてくれたのがお師匠だった。

そんなに歳が変わらないはずなのに強くて、大人で、バイタリティがあって、この人についていこうと決めたのだった。お世話になった先生も尊敬できる先生も何人もいるけど、お師匠は一人だけ。

まだあんなすごい域には達していないし達せそうな気もしないけどコミュニティの運営の仕方も、この世界の歩き方も基本的な知識もほとんどすべてお師匠から教わったものがベースになっている。

卓越していた。本当に素晴らしかった。だからお師匠の少年期と青年期の断絶を、私の手柄じゃ全くないのだけれどカウンセラーさん同士のつながりによって繋げられたときは本当に誇らしかった。

それぞれが就職や進学の時期に差し掛かって、さらに疫病が流行し始めて、私たちでやっていたコミュニティスペースは休止せざるを得なくなった。私はその後遠方へ学びに行ってしまったしお師匠は仕事が忙しそうで再開することができなかった。

私たちは互いの身を守るために愛称で呼び合っていたから、お師匠に会えなくなってしまったときにどうすることもできなかった。立場が逆だってきっとそうだった。でも糸が見えなくなってしまうまでそんなことがあるとは思っていなかった。

アニメを見てまた思い出した。あの時は仕方なかった。子供だった。でも、何かあったときにたどり着ける確かなものを何も知らなかった。どこに住んでいるかも、どんなふうに生きてきたのかも、どんな名前なのかすら。

だから親しくなった相手からは基本的に相手の情報を、相手が嫌じゃなかったら貰うようにしている。何かあったとき、会いに行けるように。最寄り駅がわかっているだけで全然違う。

それでも少なくとも、お師匠がやってきたことはちゃんと覚えているしこれからまた復活させる。お師匠がどの時代でもどこに生きていようとも、私がこれから先の時代を生きても、ここを離れることになったとしても、少なくとも私がいる場所で育てていく。記憶を絶やさないためにも、ユースの居場所を先につなぐためにも。

拾ってくれてありがとうね。お師匠。

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