Lacht der himmel

ある作品を見た雑記です
ヨルノソラ 2024.04.02
誰でも

年度のはじめから巷で流行っている感染症に罹患するなど散々な船出である。おそらく職場のデスクの上にはやるべき(本来やっているはずの)仕事が山積みだろうし、それを考えると些か心が重くなるのではあるがかかったものは仕方ないので休みを休みとして有効活用することにした。

有効活用するといっても感染性の疾患なので自宅軟禁である。そこで前々から気になってはいたけど見られてはいない…といった作品を消化することにした。

ということで...

白髪のエルフが出てくる話を観始めた。作品の構成自体も始点の斬新さ等語ることはおそらく多いのだが、今回は雑記らしく適当に、かつクィアリーディング的に読んでいきたい。

まずこの作品、まだ視聴途中とはいえ恋愛を恋愛として絡ませてくる部分が非常に軽いように感じる。もちろんどちらかにその感情があったことを匂わせる描写は点在しているのだけれどもその関係性が構築されることは(とりあえずここまでにおいて)ない。し、その在り方を相手も尊重する姿が描かれている。

恋愛や生殖への関心・感情が薄いという描写が出てくるのもなかなか興味深い点である。エルフという形で人間からズラして描かれているものの、その在り方はアロマンティック・アセクシュアル的な表象ととることもかのうであろう。それでいてエルフの特質としての他種族・他者への無関心さから、他者への(恋愛としてではない)愛情を抱いていく様はきちんとある種分割して描かれている。

まだ視聴を終えていないためこれ以上は一度留め置くが、冒険の終了から始まる異質なストーリー展開をはじめ、既存の恋愛当含めパッケージングされた在り方の匂いは感じさせつつもそこから脱却を図り、自分と他者の距離やそれぞれの尊重といったテーマを導入することに現在のアニメとして成功している例ではないかと感じる作品である。

ちなみに落ち着いた雰囲気とAce的在り方含めてちょっと、いや結構主人公が私は好きである。

余談

回想の冒険シーンを見つつ、大学の研究室を思い出すなどしていた。あのように懐かしいし、今後懐かしさは増していくのかもしれない。どれだけ距離が離れてもまたどこかで道が交わるように。そして願わくは、それぞれの上が、雲を超えて遠く、遠くまで青空であることを。

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