感情誤認 ―さよなら―
2019年に書いた詩の誤字脱字等を修正したものです。こちらに関しては現在の自分との乖離をなだらかにするためにタイトルを大きく変更しています。
ヨルノソラ
2022.04.26
誰でも
些細な戯れも悪戯も
僕を置き去りにして何処かへと行ってしまう君へ
僕の躰じゃ君を愛すことは許されないから
君の手首の細さを、
君の少し掠れた声を、
君の骨の硬さを、
消えない深い傷として僕に刻んでおきたいんだ
些細な笑顔で名を呼ぶ声で
僕を縛り付けたままで君は誰かへ行ってしまうね
君の心に入り込むことなんかできっこないから
僕の甘い痛みも、
僕の昏い気持ちも、
僕の鮮血も見えないままに
あの頃くぐった鳥居にお参りしたって
君に届くように背伸びをしたって叶いようのない祈り
もしも願いが叶っても
何も残らない何も残せない
僕は何処へ行けばいい
何一つ手に出来ないままで僕は独り、大人に変わる
逃れようのない春が来て曖昧も子供のままも許してはくれない
独りぼっちふたりぼっち独りぼっち
愛することもわからないまま
君が美しい羽を広げてゆくのを
僕は見ていた
無料で「ヨルノ雑記館」をメールでお届けします。コンテンツを見逃さず、読者限定記事も受け取れます。
すでに登録済みの方は こちら