アルカ

2020年に書いた詩の誤字脱字等を修正したものです。
ヨルノソラ 2022.04.26
誰でも

夜のバス、濡れた夜道に
個と逃れえぬ孤が映り込んで
粘度のある雨の中を街灯が翔んでゆく
刹那に反転する影は手を伸ばしても流れ去る
今は何処にいるのだろうか耳介に残る声を抱く

カーブミラー、照らす前照灯は
神経を鋭利に刺し貫いて独り歩き、
続く夜道を焦燥が駆けてゆく
きっと誤った希望も正しい絶望も容易く入れ替わる
明日の居場所が見えない癖に頭蓋に視覚が光を残す

あの日絞り出された君の声は白い視界を淡く彩って霧の中で光が弾けた

世界がどれだけ回ったって僕らそれぞれ独りぼっちだ
それでもあの時貰った声はまだここで輝いている
愛なんて絶望でそのくせ赦しだから
生きる場所なんか見えないままで
何も知らない子供のままで
君と、どこかへ

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