金銀木犀
2019年に書いた詩の誤字脱字等を修正したものです。
ヨルノソラ
2022.04.26
誰でも
中間試験のあと、昼過ぎに金曜日の電車から見る景色
異次元に入り込んでしまったようで僕は大きく溜息をつく
ありえない時間、ありえない場所に
ありえない僕が拠り所もないままに存在する
地球から放たれた宇宙飛行士
センチメンタルなようなノスタルジックなような喜怒哀楽
ミックスした綿あめのようにもやもやとして自分でも説明のつかない気分
僕の脳を掴んで揺さぶる晴れ、曇り、晴れ、曇り
白昼の雲はそれでも眩しすぎて
抜けるような蒼さの空に投げ出されるような気がした
開いたドアの隙間から流れ込んできた金木犀の香りの中に
さっき「じゃあ、また明日」を言い合った君が呼ぶ声が聴こえた気がするから僕は息を吸い込む。
僕の中で君と僕がひとつに溶け合う僕と僕も溶けて融けて、
滑り出した視界と振動と午睡のような太陽の光線と薄れゆく香りの中
僕は銀木犀になる夢を見たよ
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